正垣大翔さんが優勝 高校生ものづくりコンテスト 全国大会溶接部門近畿ブロック予選
(「溶接ニュース」2024年9月17日付 10面より)
2024年度高校生ものづくりコンテスト全国大会溶接部門の近畿ブロック予選(主催=近畿工業高等学校長協会、大阪府立高等学校機械研究会溶接技術分科会)が9月7日、大阪府摂津市のポリテクセンター関西で行われた。当日は、近畿の各地区から選出された工業系高校14校23人の生徒が日頃学んだ溶接技量を競った。審査の結果、姫路工業高校2年生の正垣大翔さんが優勝し、地区代表として秋田県での全国大会に出場することとなった。
優勝者した正垣さん(左から3番目)と入賞者
同コンテストの溶接部門は、近畿各府県から選出された選手らによって技量を競うが、各県、各校の諸事情により昨年度までは、出場校も兵庫、大阪にとどまっていた。しかし、今年度から溶接部門が正式種目になったことに加え、主催者らの熱心な働きかけが奏功し、今回、滋賀県の八幡工業高校から2人の生徒が初参加。また選手は派遣していないものの奈良県立王寺工業高校の教諭が視察に訪れるなど、少しずつ同競技会に対する理解と感心、裾野が着実に広がってきている。溶接技術分科会の会長を務める石原喜代志教諭も「各校の先生らの熱心な指導と理解により年々技量レベルが向上するとともに、近畿ブロック予選に相応しい陣容に広がりつつある。昨年より今年、今年より来年、来年より再来年と、着実に参加校、エリアが拡大することを願っている。各校の校長先生をはじめ、担当教員らの理解と取り組みに感謝している」と語った。
競技は2班に分かれ、1組目が午前10時30分~、2組目が11時20分~、それぞれ競技を開始。予めタック溶接した競技材を用い、N-2F(中板、下向き姿勢、裏当金なし。最終層は指定位置でアークを中断し、そこから再度溶接を行う)課題を30分間で仕上げていった。競技終了後、競技材表裏の外観審査(各50点)と実技審査(不安全、違反行為など/減点法)で総合評価した結果、姫路工業高校の正垣さんが表裏ともに最高点を出し(減点ゼロ)、優勝した。「とにかく焦ることなく競技材に向かい合うことに集中した。優勝でき、とても嬉しい。秋田の全国大会でも頑張りたい」とコメントする正垣さん。4月のJIWSで行われた関西地区高校生溶接技術コンテスト《圧力容器》でも2位となった実力を遺憾なく発揮した。
近畿ブロック予選の模様
表彰式では、大会実行委員会の松山国林副会長(大阪府立藤井寺工科高校校長)から正垣さんをはじめ、入賞者6人に賞状と盾が手渡された。またこの日、審査時間の合間を縫って行われた特別企画では、最新鋭溶接機を満載したパナソニック コネクト社の実演車両を用い、学生らが直流アーク溶接機や最新鋭・高機能炭酸ガス・マグ溶接機「400NE1」の溶接性能を体験した。
近畿ブロック予選に参加した学生、教諭ら
入賞者は次の通り(敬称略)。
▽優勝=正垣大翔▽準優勝=山口悟朗(兵庫県立兵庫工業高校)▽3位=奥田渉生(滋賀県立八幡工業高校)▽敢闘賞(3人)=三宅智大(神戸市立科学技術高校)、鳩川容将(兵庫県立姫路工業高校)、長原龍(彩星工科高校)
(「溶接ニュース」2024年9月17日付 10面より)