日本一の溶接士決まる 手溶接:中神貴紘選手 半自動溶接:長谷貴宏選手(溶接ニュース2025年1月7日付より)

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 日本一の溶接士決まる

日本最高の溶接技能を決める「全国溶接技術競技会」。

これは野球であればクライマックスシリーズ制覇、サッカーであればJリーグ優勝、競馬であれば天皇賞制覇に該当する、溶接業界のナンバーワン決定戦だ。

10月26・27日に高知県で行われた2024年度の大会で、日本で最も優れた技能を保有する溶接士が決定した。

被覆アーク溶接(手溶接)では中神貴紘選手(神奈川県、東芝エネルギーシステムズ)、炭酸ガスアーク溶接(半自動)は長谷貴宏選手(茨城県、日立製作所)が最高の栄誉を獲得した。

スクリーンショット 2025-01-08 110539.jpg左から長谷選手、中神選手

この競技会は、日本全体の溶接技能の向上を図るとともに、広く一般にも溶接技術の重要性を啓発することを目的に毎年開催しているもの。

改めて競技概要を振り返る。

種目としては手溶接と半自動の2種目。

競技課題は、両種目ともに薄板(板厚4.5㎜)と中板(同9㎜)の突合せ継手で、溶接姿勢は薄板が立向上進、中板が横向となる。

開先の途中にはスカラップの邪魔板が設けれれており、途中でビードを中断し、繋ぎなおす難易度の高い課題となる。

競技時間は45分。

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半自動溶接の部競技の様子

69回目となる2024年度の大会は全国都道府県を代表する被覆アーク溶接55人、炭酸ガスアーク溶接56人の合計111人の選手で自慢の腕を競った。


現行の種目となった1978年度大会以降の都道府県別最優秀賞受賞回数は、愛知県が通算22回でトップ、2位が神奈川県の12回、3位が広島県の11回、4位が兵庫県8回、5位が山口県5回と続く。

神奈川県は2017年依頼4年ぶりの最優秀賞、茨城県は10年依頼13年ぶり3回目の最優秀賞獲得となる。


第70回全国溶接技術競技会は10月4・5日、富山県高岡市のポリテクセンター富山で実施されることが決まったおり、既に次なる戦いの火蓋は切って落とされている。

今後も目が離せない。

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