長野県高校生溶接技能コンクール 「1年生溶接士が優勝手に」 池田工業 近藤栄人さん
1年生溶接士、長野県制す
12月14日に長野県の中野立志館(中野市)で、長野県高校生溶接技能コンクールが開催された。
今回の大会で皆を驚かせたのは、優勝者1年生であること。
高校生は一般的に入学した1年生で初めて溶接に触れる。つまり、長くとも8ヵ月程度の練習時間でコンクールに臨むことになるのだ。
今回のWelding Mateでは、高校1年生とは思えない美しいビードを披露し優勝に輝いた池田工業の近藤栄人さんに話を聞いた。
近藤さんインタビュー
溶接技能を必ずしも必要としない自動車整備士になるのが将来の夢です。
溶接は、授業中に見た「鉄が溶ける様子」が面白いと感じて始めました。
溶接士を志望しているわけではない私がコンクールに出場してもよいものかと悩んでいた時期もありました。もちろん優勝できるとは思っていなかったため、本当に驚いています。
数ヵ月前まで、溶接のことを知らなかった私が、優勝することができたのは、指導してくださった先輩、教諭のおかげです。本当に感謝しています。
優勝したと報告した時に、両親はきっと喜ぶと思うので、家に帰ったら、少しだけ自慢してしまうと思います
せっかくなので自慢だけでなく、改めて日頃の感謝を両親にも伝えようと思います。
コンクール終了後に、「1年生にしては溶接がうまい、どのように練習したのか」と審査員から言っていただきました。
もし理由があるのだとしたら、鋼が溶融する瞬間が好きで、何度も鋼が溶融する瞬間を眺めていた時間が成長させてくれたのでしょう。
溶融池をしっかりと作ることが溶接技能の上達には欠かせないと教えていただいたため、たまたま日頃の練習が、コンクールとマッチした結果です。
せっかく優勝を手にしたので、これからも続く高校生活の3年間で、自分の将来だけでなく、溶接技能ともしっかりと向き合っていこうと思っています。