三菱電機伊丹製作所「溶接学校」 マンツーマンで信頼育む(溶接ニュース11月19日付より)
溶接学校で技能と信頼育む
三菱電機伊丹製作所は同社交通事業の中核拠点として、鉄道車両システムや交通情報通信システムをはじめ、様々な車両用電機品の開発・製造を手掛けている。
当然、幅広いの技能が必要となるため、同製作所には「溶接学校」があり、1年間を通して、被覆アーク、炭酸ガス半自動、ティグ、ミグの4つの溶接法を習得できる。
各手法に対して2週間ずつ、実技はもちろん、溶接に関する知識や理論などの授業を行う。
少人数制による指導法も同校の特徴の一つだ。溶接に興味を持ち、またセンスを有し、将来、溶接職種のリーダー格として期待される、10人程度が各職場から選抜される。
彼らは溶接学校での研修期間中(2週間)、職場から離れ、技能教育に専念。
社外競技会での入賞経験者が講師を務め、都度、的確にアドバイスできるマンツーマン体制で、一人ひとりとの対話を最重要視するという。
設立から4年、成果は如実に表れており、社内のレベルアップはもちろん、兵庫県溶接技術競技会での優勝や、軽金属溶接競技会での入賞など、同社では輝かしい実績を残すようになってきている。
同社伊丹総務センター研修課の平島義通氏は、マンツーマン体制について、「溶接学校は研修生と指導者が共に成長できる環境でなければならない。信頼関係構築することで、『何でも相談できる先生、師匠がいる』『新しい挑戦をサポートし、応援してくれる関係を構築した』という安心感が生まれれば、今後、業務を進めていく上で大きな財産となるだろう。個々の能力向上だけでなく、プラスアルファを引き出せる学校でありたい」とする。
技能は1対多数でも磨かれる場合はあるが、信頼関係は1対1で育むものだと思い出させる。