溶接技能の国内最強決定戦 注目選手に聞く 「2024年度全国溶接技術競技会」(溶接ニュース2024年11月5日付より)
注目選手インタビュー
国内外の溶接業界が目を見張る「全国溶接技術競技会」。
技能者大国の日本で、最強の溶接士を決める全国溶接技術競技会が、2024年10月26日から27日かけて高知県で開催された。
水面下で火花を散らす出場選手。今回のWelding Mateでは、特に注目を集めていた選手を紹介する。
▲左:岩佐富雄選手
■部門:手溶接
■都道府県:岐阜県
■所属:岩佐溶接鉄工所
競技会には30回以上出ているのですが、最高は順位は日本7位です。
76歳になり、引退も考えましたが、県大会では私の背中を目標とする選手も出場しているため、やめることはできない。
白内障の手術をしたので、最近になり、視界が回復してきたため、しばらくは溶接士を続けられそうです。溶接にはやはり健康を維持することも大切ですね。日頃からストレッチなどを行い、基礎体力づくりにも努めています。
▲右:岩佐将徳選手
■部門:半自動溶接
■都道府県:岐阜県
■所属:岩佐溶接鉄工所16歳で出場を果たして以来、半自動で6回、手溶接で7回、全国大会に出場しています。
今回は練習を夜から朝に切り替えました。夜の練習と比較して、朝の練習の方がイメージに残りやすい。今、自分史上、最高の状態に仕上がっていると思います。
競技会では何が起こるか分からないので気を引き締めています。父と共に入賞を目指します。
▲右:中村久美子選手
■部門:半自動溶接
■都道府県:東京都
■所属:津覇車輌工業
高地県は母親の故郷ということもあり、所縁(ゆかり)のある土地で結果を残したいです。全国大会には2年連続の出場となり、割と落ち着いて競技に臨めそうです。
練習では、繰り返し不安要素を洗い出し、改善点を体に叩き込んできました。大会に向けた準備を進める中で社内外の多くの方々に協力してもらい、皆さんの後押しを強く感じています。恩返しの気持ちで入賞を目指しています。
▲左:二瓶美摘選手
■部門:半自動溶接
■都道府県:神奈川県
■所属:総合車両製作所
夢は1位になることですが、今回が初出場なので10位以内を自分なりの目標に据えています。
何度か社内外の合同練習会にも参加して場数を踏みました。悔いが残らないよう持てるベストを尽くします。
▲馬原涼太選手
■部門:半自動溶接
■都道府県:神奈川県
■所属:東芝エネルギーシステムズ
2019年度の沖縄大会で手溶接で優勝しました。
今回は部門を変えて、炭酸ガスアーク溶接の部に挑戦して2部門制覇を目指します。
県溶接競技会で不十分だった点を克服するため、一つひとつ、重点的に練習してクリアしてきました。自信はあります。そもそも溶接の競技会で優勝するというのは、片意地はって臨むものではなく、川で釣りをするくらいの気持ちで、気楽に臨み、優勝旗を持ち帰るといったリラックス状態が好ましいと思っています。