日本溶接構造専門学校 及川初彦校長 スキルアップセミナー(溶接ニュース2024年10月15日付より)
溶接事業所の最も身近なシンクタンクとして、70年以上の歴史を持つ産報出版(株)。
産報出版(株)では、日本中でこれから活躍するであろうWelding Mateに向けて、10月4日・5日の2日間、「2024年度スキルアップセミナー」を開催した。
参加者は、1日目は「これだけは知っておきたい溶接機器・材料・高圧ガスの基礎知識」と題した座学を学習。2日目は、溶接の実技を体験した。
2日目の実技会場となった日本溶接構造専門学校の、及川初彦校長に基礎を学ぶ大切さと、事業への活かし方について話しを聞いた。
パソコン教室や、スポーツジムなどと比べると、溶接は「どこで何を学べばいいのか」がわかりにくいかと思います。
その上、例えば溶材商社の従業員の場合、慌ただしい溶接事業所と商売することになるため、溶接についてある程度の知識がないと、まともに会話できないケースも多いでしょう。
だからこそ、スキルアップセミナーのように、「まずはこれだけ知っていれば間違いない」という学習プログラムは貴重です。
製造事業所の従業員ではなければ、必ずしも習熟した加工技術を習得する必要はないかもしれませんが、製造事業所と商売をする上で、知見は必ず身を助けます。
今回、スキルアップ講座を受講した人は、溶接技術センターで被覆アーク溶接、半自動アーク溶接、ティグ溶接、ガス溶断の実技を学びました。
溶接技能をプロ級にまで磨く必要はありませんが、例えば、「現場溶接で頻繁に使われる手持ち遮光面の視界が、いかに限られているか」を、実際に体感することで、「少しでも視界を拡げることができる遮光レンズ」の価値がわかるはずです。
もし、溶材商社の従業員ならば、自信を持って、溶接事業所に販売できるようになるだろう。
また、スキルアップ講座の座学は、プログラムに「ガス」や「安全」についても講義が含まれています。
毎年多くの注目を集める安全の講座
設備・機器の性能については、インターネットで検索することができても、ガスや安全は、幅が広すぎて、実際に現場で必要となるものを把握するのが難しい。
1日間では、技能として習熟するのは難しいと思いますが、溶接事業所の従業員や、溶接士と、共通の体験をしていることで、「格段に話の幅を広げる人材」は生まれるのではないかと、受講生の今後の成長に期待しています。