東京を2分する溶接企業が全国目指し手を結ぶ 津覇車輌工業✕日鉄溶接工業 合同練習会(溶接ニュース2024年8月13日付より)

技能者
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東京都の溶接技能を牽引する2大企業が手を結んだ。

具体的には、7月18、19日の2日間、津覇車輌工業が、東京・江東区の産学協同センターで溶接練習会を開催。この練習会は、津覇車輌工業にとって「最大のライバル」である日鉄溶接工業と合同で開催したものだ。

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今回の練習会には、腕に覚えのある溶接事業所から総勢5社・20人が参加した。

この取り組みが目新しいのは、溶接の技術や知識を一層深化させるため、「各社・各溶接士が持つノウハウや情報を相互に開示」している点。合同練習というだけでなく、日頃抱える悩みや課題の解決策について意見を交換するなどして、技術的な交流を図っていることだ。

津覇車輌工業、日鉄溶接工業の両社に加えて、群馬県前橋市から日新電機・前橋製作所、岩手県花巻氏から中央コーポレーション、千葉県市川市からクボタ・市川工場の3社。

参加者ははじめに、自身が競技材に対して実際に行っている開先加工の条件(ルート面・間隔、開先面の幅、部分加工の有無など)と、溶接施工の条件(1パス目ガス流量、電流・電圧、アーク特性の有無など)を開示し、溶接時の課題などについて情報を共有した。

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溶接条件は、料理でいうところの「レシピ」にあたる。

多くの溶接士が技能研鑽により見つけ出したもののため、他社の溶接士には教えないケースが多い。各社が溶接条件を公開したことは、東京内での競争ではなく、オール東京で全国を狙うための覚悟の現われであり、10月に開催が予定されている全国溶接技能競技会では、更に激しい競争が巻き起こることは必至である。

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