新富士バーナー(株) パリ2024聖火を繋ぐ 雨風で絶えない炎を生み出すガス燃焼技術(溶接ニュース2024年8月13日付より)

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愛知県豊川市の新富士バーナーは、パリ2024オリンピック・パラリンピックの聖火リレーで使用されるトーチの燃焼部とガスボンベの開発・製造を担当した。

このトーチは、悪天候下でも絶えない炎を灯す高度な燃焼技術が求められ、特にパリ2024の開会式は雨天となったため、日本の技術力を世界に証明することになった。

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左:聖火リレーのトーチで使用される燃焼部(左)とガスボンベ
右:聖火を運ぶジネディーヌ・ジダン氏【写真:ロイター】

同社は、ブタン・プロパンなどの燃焼技術を駆使し、工業用ガスバーナやアウトドアブランド「SOTO」を展開を事業としている。

今回のプロジェクトは2022年8月に、パリ2024組織委員会からの直接メールでオファーされたことから始まり、2023年1月に正式に受注、2月にはトーチデザインが送られ、3月に開発が開始された。

同社は培ってきた技術力を総動員して、1年という短期間で約2000セットのトーチを量産し、納期内に納品することに成功。

聖火リレートーチは、赤い炎、青い炎、触媒燃焼の3つの燃焼機構を持ち、かつ、悪天候でも炎を絶やさない設計となっている。

これは、同社が持つ予混合燃焼と触媒燃焼技術により、強風や豪雨でも炎を維持できる性能を付与した結果だ。さらに同社では、ガス供給量を一定に保つマイクロレギュレーターを搭載し、外部環境の影響を受けにくく、安定した炎を提供することができる。

トーチのデザインは、フランス人デザイナーのマチュー・ルアヌール氏が手がけ、「平等、水、平和」のテーマを表現したものだ。風が吹くと旗のようにたなびく美しい炎を灯す工夫がされている。同社の技術とデザインへのこだわりが詰まったトーチは、パリ2024のセレモニーを支え、成功に貢献した。

新富士バーナーは「Firetech Company」を謳っており、日常生活や非常時における安全な炎の利用を追求し続け、今後も新たな炎の用途を創造することを目指しすとしている。

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