VR・AR溶接王を目指して高校生が挑戦 271人が溶接王の座狙う!(溶接ニュース2024年5月21日号より)

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 VR・AR溶接王とは

4月24日~27 日に、インテックス大阪で開催された日本最大級の溶接の祭典「国際ウエルディングショー」。

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盛り上がりをみせる
2024国際ウエルデイングショーの様子

多くの展示の中でもユニークで、注目を集めた一つが高校生溶接シミュレータ大会「高校生VR・AR溶接王!」だ。その名の通り、近畿地区を中心とした高校生271人が参加し、溶接王を目指すといった内容となる。

この大会は、近隣の高校生が、VR(仮想現実)とAR(拡張現実)の溶接シミュレータを用いた溶接疑似体験を行い、競い合うことで、「溶接に興味を持ってもらう」ことを目的としている。

 景品はWelding Mateの図書カード

競技部門は、溶接経験者向け「溶接王!」と初心者向け「新人王!」の2部門。それぞれ、溶接技能には欠かすことができない被覆アーク溶接(手溶接)と炭酸ガスアーク半自動溶接(半自動溶接)の2種目で実施した。

参加者の技量は、溶接シミュレータが採点し、得点が高い参加者が上位となる。

正式な順位は審査委員会で決定し、上位入賞者には大会終了後に記念品などが贈られる。大会限定Welding Mateの図書券ももらうことができる!

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Welding Mate メイトくん図書カード

 参加した高校生の声

大阪府立東淀工業高校3年生の髙橋澪さん。彼女は2023年9月の、「高校生ものづくりコンテスト全国大会溶接部門近畿ブロック予選」で敢闘賞(5位)入賞)しており、実際の溶接の腕も確かだ。溶接経験者向けの「溶接王!」に参加した。

スペイン・シーベリー社製AR溶接シミュレータ「Soldmatic」を使ったAR溶接の感想は「溶接面の重量に驚いた。溶接棒の減り方が実際の溶接とは違うと感じた。シミュレータは実際の溶接と大きく違う」と感想を話した。

髙橋さんは「実際の溶接の方は、1日に最低1セットの練習を行っている。苦手だと感じている角継手の溶接を繰り返し練習している」という。また、来年には就職が控えているが「できれば溶接士になりたい」と話す。

溶接王に挑戦した女子高校生 大阪府立東淀工業高校の髙橋澪さん.jpg

溶接王に挑戦した
大阪府立東淀工業高校の髙橋澪さん

 使用された設備について

この大会で使用した溶接シミュレータは、人工的に作られた仮想空間で現実のように溶接を体験することができる米・Lincoln Electric 製VR溶接シミュレータ「VRTEX360COMPACT」4基と、実際に見える世界にデジタル情報を重ねた拡張空間で溶接を体験することができるスペイン・Seabery製AR溶接シミュレータ「Soldmatic」5基。

両方とも、既に、多くの教育現場や企業で採用されており高い評価を得ている。

また、この大会は、全国工業高等学校長協会の協力を得るとともに、後援として小池酸素工業、旭エレクトロニクス、Lincoln Electric 社、Seaberyが開催運営などに携わり、神戸製鋼所も協力して体験コーナー(2基)が設置され運営された。

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