溶接ニュース 2023年5月9日付、【第3481号】
■第13回関東甲信越高校生溶接コンクール
製造現場で溶接の技能伝承が課題になる中、高校生を対象にした溶接競技会が全国各地で活発化している。昨年7月の2022国際ウエルディングショーで関東甲信越・北陸地区の高校生溶接コンクールをはじめ、東北から九州まで全国各地で高校生溶接コンクールが開かれている。今年11月には高校生ものづくりコンテスト全国大会の溶接競技が開催されるほか、一般溶接士を対象にした競技会に高校生が参加するようなケースも目立ってきており、若手人材の育成に大きな役割を果たしている。このような中、第13回関東甲信越高校生溶接コンクール同時開催北陸高校生溶接コンクール(主催=東部地区溶接協会連絡会/共催=日本溶接協会東部地区溶接技術検定委員会、北陸地区溶接協会連絡会、関東地区工業高等学校長会、北信越工業高等学校長会/後援=日本溶接協会)が産報出版の特別協力のもと4月29日、神奈川県藤沢市のコベルコ溶接テクノ溶接研修センターで開催した。
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■超高層ビルの現場溶接
普段、何気なく目にする首都圏の高層ビル群には、多くの溶接技術が使われている。複数の溶接技術の中でも、特に高層ビル群で必要になる技術の一つが現場溶接だ。雨風・強風はもちろん、複数社が出入りする大型物件となるため、短時間・高精度が求められる。東京・足立区に本社工場を構えるエー・アール・シーツチヤも、現場溶接を生業とする1社だ。同社の特徴の一つである勤務する溶接士のほぼ全員が、建築鉄骨溶接の分野で最高難度とされるAW資格の取得者であるという事業戦略と、技能者教育について同社の土屋正喜社長を取材した。
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■溶接学会、第91回定時総会を開催
溶接学会(才田一幸会長)は4月25日、第91回定時総会を開催した。才田会長は「ものづくりの基盤技術である溶接・接合に更なる技術革新が必要であり、学会は主導的な役割を果たす必要がある」と所信を述べるとともに2026年の学会創立100周年に向け記念事業を進める方針を示した。
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■特集 溶接を支えるケミカル製品
顧客ニーズが多様化し、製品の小型・軽量化、高機能・高付加価値化が進む中、その生産工程には従来以上に高精度、高品質、高効率化、そして安全製や環境性能が求められるようになってきた。ただ、これらの厳しい条件をクリアするためには、溶接士の技能、溶接機や溶接材料の性能だけではなく、溶接の前後工程で必要になるケミカル製品も重要な役割を持つ。本特集では、溶接品質を確保するための各種ケミカル製品を紹介する。