溶接ニュース 2023年4月11日付、【第3478号】

溶接・接合、切断ニュース
twitter fb

■難易度高まる耐震・改修工事
 耐震・改修工事の難易度が高まっている。現在、老朽化した建物の耐震・改修工事が首都圏を中心に活発化しているが、首都圏の鉄骨ファブリケータにとって同工事は「工場面積を拡張せずに事業を成長させること」から魅力的な事業になっている。首都圏では、工場周囲に既に住居などがあることが多いためだ。ただ、施工現場においては、閉所・高所での現場溶接などにおいて、既にある隣接する建築物を傷つけずに工事を進めるなど施工の難易度が上がっており、より厳しい施工条件への対応が求められるようになってきている。耐震・改修工事に従事する首都圏の溶接事業所を取材した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■注目集める最新EV車体製造
 成形機械などを製造するメーカーUBEの株価が年初に高値を更新した。理由はダイカストマシン、プレス機などの大型加工機を製造する子会社UBEマシナリー(山口県宇部市、久次幸夫社長)が、電気自動車(EV)の生産コストの削減につながる車体の製造装置を開発したことにあるとされる。車体の製造方法が変われば、当然、そこで使われる溶接方法にも変化が必要になる。新装置が、自動車製造における溶接に与える影響に注目が集まる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■ステンレス溶接のトラブル事例を解説
 日本溶接協会特殊材料溶接研究委員会(才田一幸委員長)は3月17日、東京・千代田区の溶接会館で講習会「溶接トラブル事例に学ぶステンレス鋼の有効活用と信頼性確保」をオンラインを併用して開催、約70人が受講した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■特集 藤田酸素
 兵庫県の溶材商社・藤田酸素工業(神戸市兵庫区)が今年、創業70周年を迎えた。創業者の藤田定一氏は兵庫県溶接協会の設立に尽力した一人であり、現在の藤田元久社長の祖父にあたる。ちょうど10年前、本紙で実施した60周年特集の際に元久社長は、32歳での社長就任に際し、「重圧はなかった。土台はできていたので、時代に合わせて足りないものを埋めていく感じだった」「祖父(定一)からも叔父さん(和夫)からも、従業員を大切にすることを学んだ。みんなに良くすれば、自分も良くなる。そう聞いたし、見聞きしてきた。私はそれを次の人にバトンを渡していきたい」と語っている。10年後の今、改めて過去を振り返るとともに、将来の展望について、藤田剛久常務とともに語ってもらった。

share SNSシェア
twitter fb