三和デンタル、入れ歯用AM装置を工業用に
歯科技工所の三和デンタル(東京・大田区)は、Profeta社の金属AM装置販売代理店として事業を展開している。
Profeta社の金属AM装置は三和デンタルの入れ歯などの歯科技工物における製造工程で実際に稼働しており、レーザPBF法(粉末床溶融結合方式)による高精度かつ、高速な積層造形が可能なことを特徴とする。
三和デンタルではダブルレーザを搭載し、開発試作から生産現場における実稼働にも対応する「IE150」、量産に対応したハイエンドモデル「IS200」に加えてコンパクトなエントリー機種など幅広いニーズに対応した金属AM装置をラインアップしており、ハードの運用だけではなく、製造ノウハウに関してもサポートする。
今後は同社と同じく歯科技工所に加えて金属加工を手掛ける工場や試作開発メーカーなど工業分野への展開にも注力していく。
歯科技工物メーカーの同社が金属AM事業を開始した経緯について、同社関係者は「歯科技工は歯科医療の一端を担う専門技術あり、歯科医師の指示書にしたがって、入れ歯、歯の被せ物、歯の詰め物、矯正装置などの作成や加工、修理を行うなど、高度な精密技工技術や繊細な感覚が求められる。近年では養成機関の減少や少子高齢化の影響で、担い手である歯科技工士の後継者不足が懸念されている」とした上で、「そのような中、当社では歯科技工のデジタル化に着手し、数年前より口腔内3Dスキャナーや金属AM装置などを活用したものづくりを開始するなど強度、美しさを兼ね備えた高精度の入れ歯を短期間に製造、納品してきた。そうした当社のデジタル化に関するノウハウを広く普及させることで歯科技工の分野に加えて、製造業を含む、ものづくり産業全体で高度な技術・技能が必要な専門職において人手不足が深刻化している問題の解決に貢献するべく、金属AM装置の販売からサポートまでを手掛ける金属AM事業の展開を開始した」とする。