東急建設、鉄骨完全溶込み溶接を省力化

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 東急建設(東京都渋谷区)はこのほど、鉄骨造建築物の柱梁接合部の省力化を目的とする「SB―Joint」(SBジョイント)を開発し日本建築総合試験所の建築技術性能証明(GBRC 性能証明)を取得した。
 鉄骨造建築物において、角形鋼管柱を使用する架構の多くは、通しダイアフラム形式の柱梁接合部(ブラケット工法)が採用されている。製作工場において柱と通しダイアフラムを完全溶込み溶接し、通しダイアフラムとブラケットフランジも完全溶込み溶接とする必要があった。
 通しダイアフラムとブラケットフランジの完全溶込み溶接には、高度な技術と厳重な品質管理が要求されるが、近年の熟練溶接士の人手不足により、製作・施工の省力化が喫緊の課題となっている。
 また鉄骨工場で柱とブラケットを接合すると、柱からブラケットが約1.2㍍突出し、トレーラーへの積載が非効率となることから、物流効率化の観点からも改善が求められていた。
 東急建設はこれらの問題を解決するため、完全溶込み溶接量の低減や輸送効率が向上する同工法を開発。通しダイアフラムを平面的に拡張し、ボルト孔を設けて構成したブラケットと梁の中央材を高力ボルト摩擦接合することにより、在来工法で必要とされた、通しダイアフラムとブラケットフランジの完全溶込み溶接が不要となる。
 「在来工法と比較して完全溶込み溶接量は約25%低減、超音波探傷試験回数は社内検査、第三者検査とも約20%低減し、なおかつ加工工程も削減できることから、製作期間を約33%短縮することが可能となる(同社)。
 柱と通しダイアフラムの完全溶込み溶接は、溶接ロボットによる自動化が普及されており、同工法を採用することでより省力化が期待できるとする。
 

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