北陸新幹線、車両にFSW、レールにテルミット溶接を採用

溶接
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 北陸新幹線E7系車両。

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 金沢-敦賀間の距離は125kmで小松、加賀温泉、芦原温泉、福井、越前たけふ、敦賀の6駅が設けられる。新幹線には溶接が重要な役割を果たしている。
 E7系の車体は、アルミニウム合金によるダブルスキン構造が用いられ、その素材には中空押出形材用いられており、この形材を箱状に組み合わせることで車両構体ができあがる。これには車両長に応じた長尺溶接が必要で、ミグ溶接、レーザ溶接、FSWなどの自動溶接法が用いられている。中でも高強度が得られ、ひずみが少なく、外観にも優れた特徴をもつFSWの適用が主流になってきている。また、金沢-敦賀間のレールの敷設にあたってはテルミット溶接がつかわれている。レールの継ぎ目部にテルミット溶鋼を流すだけで溶接ができるため、段取りが容易で施工時間が短く、設備も少ないことから工期の短縮に一役買っている。
 電車線指持物「鋼管ビーム」と呼ばれる鋼管型の溶接構造物の鉄道用架線設備では長さ5mを超える200~300Aの炭素鋼管に溶接が用いられた。溶接技能者資格保有者が炭酸ガス半自動溶接で施工したという。さらに、延伸工事にあたっては、車両やレールのほか、駅舎の建築などにも溶接が使われており、今回の新幹線開業に果たした溶接の役割には大きなものがある。

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