四国総合研究所、高温環境で水素火炎見える化 

産業ガス
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近年、工業炉における燃焼の工程で水素を利用し、「ものづくりのカーボンニュートラル(CN)化」を図る研究開発が進むなか、安全かつ効率的な燃焼プロセスの確立に向けて無色透明である水素火炎の可視化技術に対する期待も大きい。そのようななか、四国総合研究所(香川県高松市)では炉内のような高温環境下においても、水素火炎の見える化可能な装置の開発を進める。

水素火炎は人間の目で見える可視光領域で発光がないため、人間の目で見ると無色透明だが、可視領域外の紫外領域と近赤外領域では発光している。そのため、紫外校や近赤外光を捉えるカメラを活用し、可視光カメラとも組み合わせることでアセチレンや酸素の火炎と同様に可視化した画像を生成が可能になる。

同社では近赤外光を可視化する技術を活用した水素可視化装置を既に販売しているが、年内の完成を目標に紫外光の可視化カメラを搭載した水素可視化システムの開発を進めている。

赤外光の可視化システムは炉内など高温の環境下では炉壁からの影響で誤作動を起こしやすく、画像生成には困難が伴う。一方で紫外光による可視化システムでは炉内のような数千度にもなる高温環境でも水素が発光する紫外光を正確に検出可能なため、見える化ができるという。

同社の関係者は「近年、ガラスの溶解炉や製鉄および金属加工用など工業炉で水素を利用した燃焼技術の実用化に向けた研究や実証実験が実施されているが、技術の確立には水素火炎の状態を見える化が必要となるケースもある。高温環境でも水素火炎を可視化できる装置を開発することで水素燃焼技術の発展に寄与したい。一方で紫外光検知できるカメラは高額であることからコスト面の克服が大きな課題」とする。

電子版ガスメディア10月8日号より

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