高圧ガス工業ら、アセチレン製造時の副生成物と排ガス由来CO2のリサイクル技術を開発

産業ガス
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高圧ガス工業(黒木幹也社長)と建設大手の鴻池組、炭酸カルシウム専業の白石工業、無機材料素材メーカーの吉澤石灰工業の4社はこのほど共同で、アセチレンガスを製造する際に出る副生成物・カーバイドスラリーと排ガス由来のCO2を原料にした「軽質炭酸カルシウム(カーバイド軽カル)」の製造技術を開発した。コンクリートの強度向上などに利用用途があり、27年度の商用生産を目標に量産化に向けた技術開発を進めていく。

同技術はCO2を有効活用するカーボンリサイクル技術の一つで、「カーバイド軽カル」1㌧製造時のCO2固定化量は約440kg(500mlペットボトル約44万本分)となる。生じる副産物も50kg以下(5%以下)と、廃コンクリートや鉄鋼スラグなどをカルシウム源とした炭酸カルシウムと比較して副産物の発生量は極めて少ない。

また「カーバイド軽カル」の原料となるカーバイドスラリーは主成分が水酸化カルシウムであり、CO2との反応性が高く、導入する排ガス中 CO2の 70%以上を吸収することができる特徴がある。

アセチレンガス(C2H2)は、カーバイド(CaC2)と水の反応により発生するが、アセチレンガス製造時の副生成物であるカーバイドスラリーは主成分が水酸化カルシウム(Ca(OH)2)であり、従来は酸洗浄廃液の中和処理などに活用されてきた。他方で、生石灰製造により排出されるCO2について排出量削減に向けた様々な取り組みが模索されている

そのようななか、高圧ガス工業らはカーバイドスラリーと排ガス由来のCO2を原料とした「カーバイド軽カル」の製造についてラボスケールから検討を開始し、23年10月に実機設備で「カーバイド軽カル」10トンの製造に成功した。

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