カトウ光研が溶接中のシールド・アシストガス可視化
カトウ光研(神奈川県伊勢原市、加藤香穂社長)は、シールドガスやアシストガスなどの流体を見える化し、溶接プロセスを可視化する光学系システム「Shield View(シールドビュー)」を発売している。
同システムでは、セッティングが難しく、困難と言われてきたシュリーレン法を利用することにより、シールドガスに加えて、アシストガスやスパッタ、ヒュームなどの溶接時の流体の可視化ができるのが特徴で、特にアシストガスの可視化は、現在、世界中で同社のみが可能な技術だという。
アーク溶接、レーザ溶接どちらもモニタリング対応しており、シミュレーションによる分析ではわからなかった溶接中の様子が明確にできる。
映像はハイスピードカメラで撮影し、閲覧時にはスロー再生される。撮影した映像から、溶接の最適化が行える。具体的には、シールドガスやアシストガスの条件・レーザ出力適正化による溶接品質の向上や、ガス量の適正化による経費節減などに繋げられている。スパッタ対策の長年の研究が、撮影した映像を見ただけで解決したとの事例もある。
なお、同システムの使用には、観測空間内で溶接を行う必要がある。観測空間の広さは調整でき、光学系レンズの前には保護ガラスが設置されている。だが、システムの設置にスペースを要するため、試作品の観測を行い、量産の現場にフィードバックされることが多い。
同システムは、自動車をはじめ、部品の溶接の品質の改善が必要な現場で引き合いが多い。高性能カメラでの分析を行う同業他社から意見を求められることもあるという。