大陽日酸、BRUTE Hydrazine適応の 高純度ヒドラジンガス供給システムを開発

産業ガス
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 大陽日酸は、グループ会社であるRASIRC社製のBRUTE Hydrazineに適応する高純度ヒドラジンガス供給システムを開発した、
 供給システムは①ガス供給キャビネット内にBRUTE Hydrazine容器を設置し、窒素ヒドラジン混合ガスを安全かつ安定的に供給可能②ヒドラジンガス供給を行っている間は残量を常時監視する機構を搭載③容器交換は自動シーケンスにより、ヒドラジンガスを暴露することなく安全・容易に実施できる④ガス供給キャビネット内は常時負圧に排気されているため、BRUTE Hydrazineや装置内配管からガス漏洩が発生した場合であっても、排気ダクトより速やかに排気され災害を防止する構造⑤危険な状況に至ると警報を発報し、自動的に動作停止する安全機構が備わっている--などの特徴を有する。
 エレクトロニクス分野においてヒドラジンガスは一般的な窒化源であるアンモニアと比べて反応性が高いため、半導体製造プロセスの低温化、膜質向上、スループット改善が可能で先端ロジック半導体の微細化やメモリの大容量化の実現に寄与できるガスとされる。
 同社では半導体製造向けに高純度ヒドラジン材料としてBRUTE Hydrazineを販売。BRUTE Hydrazineは、無水ヒドラジンと、安定剤となるRASIRC社独自の有機溶媒を混合することによって安全性を向上させた液体材料となる。
 しかし、高純度ヒドラジンガスは新規半導体材料ガスとして注目されている一方で、高純度ヒドラジンガスを高濃度かつ安定的に供給するガス供給システムは実現されておらず、材料ガスの安定供給が必須である半導体製造プロセスにおいては、供給システムが必要不可欠であった
 そこで、同社は独自のガスハンドリング技術を活用し、半導体製造プロセスに適応可能な高純度ヒドラジンガスを安全かつ安定的に供給できるガス供給システムを世界に先駆けて開発に成功。
今後の展開について同社は「半導体製造プロセス向けにユーザーへの提案を行っていく。同技術を通して、BRUTE Hydrazineの拡販だけでなく、アンモニアと比べて反応性の高いヒドラジンの特性を活かし、半導体製造プロセスにおけるユーザーの課題解決を目指す」としている。

(電子版ガスメディア 3月5日号より)

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