JOGMEC、アラスカのメタンハイドレート層で ガス産出試験を実施
JOGMECは10月24日、米国エネルギー省傘下の国立エネルギー技術研究所と協働で米国アラスカ州ノーススロープのプルドーベイ鉱区において進めていたメタンハイドレートの長期陸上産出試験の準備を完了させ、ガスの生産を開始した。
今後は、長期生産挙動データの取得を目指すとともに、技術的課題の解決策の検証等を行う計画。なお、メタンハイドレート層から生産されたガスは産出試験施設で自家消費し、エネルギー源として活用する計画であり、これは世界で初の取り組みになるという。
メタンハイドレートは、メタンガスと水が低温・高圧の特定の条件下で氷状の固体として形成される物質。小さな体積から多くのエネルギーを生み出すことが可能で石炭や石油に代わる次世代エネルギー資源として期待される。
日本周辺海域にも存在が確認されており、過去2回、渥美半島から志摩半島の沖合(第二渥美海丘)において海洋産出試験を実施したが、数週間程度の連続生産の実現にとどまっており、ガス生産挙動の長期的な傾向は確認できていない。
メタンハイドレートの商業化を目指す上では、長期の生産挙動を見極めることが不可欠となるため、今回は長期生産挙動データの取得、技術的課題の解決策の検証などを目的に海洋に比べて相対的に試験の制御が容易でインフラの整っている陸上において試験を行う。
試験設備全景写真(2023年8月撮影)