エア・ウォーター、家畜ふん尿由来「バイオメタン」を雪印メグミルクへ納入

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【電子版ガスメディア11月19日号より抜粋】

2つのバイオマス燃料を同時に使用するのは国内初

 

 エア・ウォーター(AWI)は、家畜ふん尿由来「バイオメタン」をLNG(液化天然ガス)の代替燃料として、雪印メグミルク大樹工場へ納入すると発表した。AWIでは家畜ふん尿由来バイオメタンの製造から販売に至るサプライチェーンを確立し、今年5月より事業化。バイオメタンのさらなる活用を図るため、酪農家のバイオガスプラントにおいて精製したバイオメタンを、専用のガス吸蔵容器でガス体のまま輸送・供給する仕組みを構築し、12月末より雪印メグミルク大樹工場へ供給を開始する運びとなった。供給先となる雪印メグミルク大樹工場では、乳資源(ホエイ)の有効活用のためメタン発酵設備が設置されており、そこから発生するバイオガスにAWIが精製・供給するバイオメタンを混合させ、メタンガスボイラの燃料として利用することに成功。この2つのバイオマス燃料を同時に使用するのは国内で初めての試みになるという。

バイオメタンとバイオガスのを混合させ、メタンガスボイラの燃料として利用することに成功

地産地消の循環型モデルケース

 酪農家と同工場が立地する北海道大樹町は2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」を宣言しており、町内の酪農家から産出されたバイオメタンを同工場で有効活用することで、ゼロカーボンシティ実現に貢献できる地産地消の循環型モデルケースとなることが期待される、AWIでは「酪農家と燃料消費先の工場が近接地にある場合、より低コストでバイオメタンの活用が可能となる。今後は家畜ふん尿を有効活用したい酪農家とバイオメタンを活用したい需要家の双方のニーズを安定的に満たしながら、さらなる市場創出を図っていく。SDGs達成への貢献やCO2排出量削減の取り組みの一環として、地域企業との連携を深め、持続可能な未来の実現に貢献していきたい」とする。

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