CTスキャンとAI学習で3Dプリント部品の品質検査を効率化

積層造形(AM)
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ドイツの光学機器メーカーのZEISS社が、研究パートナーの、アメリカのエネルギー省管轄のオークリッジ国立研究所(以下、ORNL)と、ORNLの機械学習アルゴリズム「Simurgh」を、工業用X線CTスキャンによる3Dプリント部品の品質評価に使用することを認める5年間のライセンス契約を締結した。

CTスキャンに機械学習を用いることで、3Dプリント部品の検査にかかる時間とコストを10倍以上削減し、品質を向上させることが期待される。

CTスキャンは、金属3Dプリント部品の内部に不具合がないかをチェックするための手法として、一般的に用いられている。

CTスキャンを使うことで部品内に閉じ込められた粉末や亀裂、その他の変形など明らかにできる。部品を破壊することなく検査できる点に大きなメリットがあり、工程エラーの特定や製造方法の改良、出荷前の欠陥部品チェックなどに重宝されている。

しかし、CTスキャンには、費用と時間の2つが大きくかかってしまう点にデメリットがある。そこで、ZEISS社はORNLの機械学習アルゴリズムSimurghとCTスキャンを組み合わせることで生産ラインに導入できるほどのプロセスの高速化と、コスト削減を狙っている。最終的には、すべての部品を迅速かつ確実にCTスキャンできるようにすることで、3Dプリントが持つ能力を最大限発揮することを目指すという。

ORNLの機械学習アルゴリズムSimurghは、精度を高めながら検査コストを10分の1に減らせるよう設計されたツールだ。製造業界では部品固有の検査が急増しており、Simurghはそれらの検査の効率化に貢献することが期待されている。今回のライセンス契約では、金属3Dプリント部品における、粉末の閉じ込め、閉塞、亀裂などの、問題につながる可能性のある形状を識別するよう、訓練されたアルゴリズムを使用するとしており、期待が高まる。

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