三菱商事テクノスと住友電気工業がAMで協業
三菱商事テクノスと住友電気工業は、バインダージェット(BJ)方式の3Dプリンター(以下、BJ)を使用した製造業向けの金型レス金属部品の量産事業立上げに向け、今年7月から協業を開始。このプロジェクトでは、米GE Additive社のBJ装置を活用し、高付加価値部品の試作・開発サービスを実施するもので、国内の様々な製造業顧客と実証実験を行い、将来的には、量産用BJ方式3Dプリンターによる金型レスでの金属部品の試作・開発を加速させ、高付加価値部品の量産を目指すものだ。
背景には、金型を使わずデジタルデータから部品をプリント可能な3D プリンター工法は、レーザーパウダベッド式(LPBF)を中心に航空機などに使われる高付加価値部品へ浸透しつつあることが挙げられる。
BJ方式は、金属粉末をバインダー(結合剤)で固めて焼結するため、3D プリンターの強みである自由な設計や金型レスに加え、LPBFに比べ50~100倍の生産性で造形することができるため、製造コストの大幅な低減が可能となる。
近年のBJ方式では、従来工法の鋳造に迫る材料特性を実現しつつ、従来工法では製造が難しい設計形状の高付加価値部品や大型部品(径25cmインペラーなど)を低コストで量産可能することが可能だ。
欧米では、3Dプリンターによる部品の量産製造が開始されていますが、国内では研究開発や試作にとどまっている。このプロジェクトでは、自動車、重工業、産業機械、医療などの高付加価値部品が必要となる分野で3Dプリンターによる製造を導入し、日本の製造業のデジタル化を加速させ、競争力を高めるモノづくりのゲームチェンジャーになることを目指すものとして、期待されている。