二相ステンレス鋼の溶接 ―溶接施工のかんどころ―
価格: 5,940 円 (本体価格:5,400円)
日本溶接協会 化学機械溶接研究委員会 編
A5判 /
218頁
ISBN978-4-88318-071-4
本書は,所期の性能を得るために順守すべき施工上の「かんどころ」をとりまとめた。エンドユーザやエンジニアリング会社,ファブリケータのみならず,溶接作業の実務者にも理解しやすいように,上記の推奨事項およびその学術的基礎/有用な技術資料を含む実用的な内容。第Ⅰ部は、汎用オーステナイト系ステンレス鋼の溶接施工を基準にして,所期の接手性能を有する二相ステンレス鋼溶接継手を得るための「かんどころ」を解説。第Ⅱ部基礎編:実務編に記述した溶接施工上の「かんどころ」の根拠となる母材,熱影響部,溶接金属部に関する学術的知識を示し,母材の性能・組織に及ぼす合金元素の影響,熱影響部と溶接金属の組織変化の機構と接手性能への影響について要点を解説した。第Ⅲ部は有用な技術資料を収録している。
第Ⅰ部 実務編
第1章 二相ステンレス鋼の概要
1.1 二相ステンレス鋼の概要
1.2 二相ステンレス鋼母材の基本的な性質
1.3 二相ステンレス鋼の溶接部
1.4 用語
第2章 溶接施工のかんどころ
2.1 適用範囲
2.2 溶接施工に関する推奨事項
2.3 推奨事項の解説
第3章 二相ステンレス鋼の溶接施工の実際
3.1 溶接部の性能への影響因子
3.2 溶接施工の留意点
3.3 溶接欠陥の防止
第Ⅱ部 基礎編
第1章 二相ステンレス鋼母材の基本特性
1.1 二相ステンレス鋼の特徴
1.2 二相ステンレス鋼の発展の過程
1.3 基本特性
1.4 二相ステンレス鋼における合金元素の役割
1.5 各種腐食環境での耐食性
1.6 二相ステンレス鋼における主な析出相
第2章 二相ステンレス鋼HAZの基本特性
2.1 HAZの組織
第3章 二相ステンレス鋼溶接金属の基本特性
3.1 溶接金属組織の形成機構
3.2 合金元素の分配
3.3 溶接金属のフェライト量
3.4 溶接金属組織と溶接割れ感受性
3.5 析出物
3.6 使用性能
第Ⅲ部 資料編
第1章 トラブル事例
1.1 トラブルの発生傾向
1.2 トラブルの原因
1.3 トラブル事例
1.4 トラブルの防止策
第2章 管と管板の溶接
2.1 溶接継手の種類
2.2 ストレングス溶接
2.3 シール溶接
2.4 まとめ
第3章 溶接金属部のフェライト量測定方法
3.1 はじめに
3.2 各種測定方法
3.3 各種測定方法間の比較
3.4 推奨評価法
第4章 WPS(溶接施工要領書)の例
第5章 腐食試験一覧
第6章 母材および溶接材料規格
6.1 母材規格
6.2 溶接材料規格
第7章 溶接施工に関する海外での規定
7.1 一般
7.2 主な海外規格(API,NACE/ISO,AWSなど)の規定
7.3 ASTMの規定
7.4 海外エンドユーザにおける技術仕様